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精神科の門を叩くまで

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精神科受診のきっかけ

こんな文章世の中にいくらでもあるだろう。でもきっと精神科へ行き着く過程は千差万別。

私が精神科の門を叩くまでの道のりを綴ってみる。

 

前回の投稿で、学生時代から心を病んでいたと書いた。さらに心理学専攻ということもあり、学生時代から『精神科』の存在を意識することは多々あった。

しかし、学生時代に精神科を訪れる事はなかった。

その理由は、『親に精神科への通院を明かしたくない』の一点だった。まだ扶養から外れてない時分、通院先は健保からの通知でばれてしまうだろう。そう考え、精神科に足を運べなかった。

 

それでも、どうしても救いの手が欲しかった。当時は自傷行為だけでなく妄想も酷かった。

大学のカウンセリングルームを訪ねようと何度思った事だろう。でも、それすら出来なかった。

心理学を学んでいながら、私は正しい精神医学の認識が出来ていなかった。

 

その約10年後、ようやく精神科の門を叩く事になる。

最初から精神科へ行ったのではない。そこに至るまで様々な病院、クリニックを渡り歩いた。

履歴を簡潔に記すと

整形外科→整骨院→耳鼻科→循環器内科→メンタルクリニック

といった流れだ。

経緯を以下に綴っていく。

 

まず顕著に異変が現れたのは身体の痛みだった。首、肩、腰。尋常ではないコリが出現した。酷い時は頭痛や目眩がして、何も思考ができないほどだった。

そこでまず整形外科に足を運んだ。レントゲンを撮り、所謂ストレートネックだと言われた。

ひとまず筋弛緩剤の薬と湿布を処方された。

しかし一向に良くならず、自宅から通える範囲内の整骨院に通うようになった。そこには数ヶ月通院した。手技、鍼治療、お灸…。あの手この手を尽くした。おかげで最悪の状態からは脱したが、仕事の忙しさで徐々に通えなくなり、一切行かなくなってしまった。

 

それから半年くらい経った頃だろうか。次に訪れたのは耳鼻科だ。

秋に会社の健康診断があり、聴力検査をしたところ右耳の低周波が全く聞こえなかった。機械が壊れてるのか?と思った。何度やっても聞こえなかった。偶々かも知れないと思い、あまり気にしていなかったが、上司にそれを伝えたところ耳鼻科で診て貰ったら?と助言を貰って一度行ってみることにした。

すると、やはり右耳の低音だけ難聴気味だった。

目眩も日常的にあるため、眼振検査もして、メニエール病の疑いが出てきた。

目眩は疲労のせいだと感じていたが、病気由来なのかも知れないと思うと精神的に追いやられた。

ただ、大きな発作が出るようなことはなかったので、一先ず様子を見ることになった。

 

その1ヶ月後位だろうか。今度は、不眠の症状が出始めた。最初は入眠困難が出た。一睡もできずに仕事に行く日もあった。そういった時は動悸も酷く出た。入眠困難中途覚醒を繰り返すようになり、徐々に生活に支障をきたすようになった。

睡眠薬が欲しい』と思い、この頃ようやく心療内科を探し始めた。しかし、この時に初めて心療内科や精神科の類がどこも予約制で、初診は1ヶ月待ちも当たり前と、受診のハードルが高い事を知った。

すぐにでも助けて欲しいのに、その助けが得られないのかと絶望した。

 

不眠のせいか、動悸が頻発するようになった。不整脈や胸痛もあった。そういえば健康診断で心電図も引っかかってたなと思い、試しに循環器内科を訪れた。確かに心電図に異常は見つかった。ただ、それだけでは病気とは言えず、直ちに健康に害が出るものではないとのことで、肋間神経痛ではないかと告げられ、痛み止めを出しますか?と言われたが断った。

 

もうここまで来ると八方塞がりだった。

この頃から、朝起きたら突然死んでいたら良いのにと思ったり、自殺について検索したり、希死念慮が強く出てき始めていた。

 

冬、もう限界が来た。

職場の人からも健康状態を心配されるようになっていた。きっとこの症状は自律神経失調症だろうと自分で考えていた。私は昔から季節の変わり目に胃が痛くなったりしやすかった。きっと自律神経が弱いんだと諦めていた。

もう、どこでもいいから精神科を受診して、薬が欲しい、休みたいと思った。

職場に向かいながら、1時間圏内で通えるところならばどこでも良いと精神科・心療内科を探し、数日後にウェブ予約を取ることが出来た。

ウェブ予約の際に簡単な問診があった。

実際にクリニックを訪れた時も、その問診を元に話を進めていった。私は、最初こそ我慢していたが話しているうちに徐々に涙が止まらなくなった。これまでの辛かったこと、我慢して1人で閉じ込めていたことが全て溢れ出た。

先生から『これは、うつ病の症状です。』と言われた。正直驚いた。

うつ病で診断書を貰った。

先生に優しく『休みましょう。そして絶対に死なないと約束してください。』と言われた。

その日はその後血液検査をして、薬を処方されて帰宅した。

泣きすぎて、頭がぼーっとして、明日からの事なんて考えられなかった。

 

うつ病は、まさか自分がなるはずがないという思い込みが強い病気だと思う。

だからこそ、精神科の受診に辿り着く頃にはズタボロの状態まで追い込まれているケースも少なくない。

私のように、理由のわからない体調不良や、希死念慮に苛まれている人がいるならば、精神科の受診をどうか選択肢に入れて欲しい。行ってみれば分かるが、雰囲気は他の病院と大差はない。

 

私の経験が誰かの助けに少しでもなればと思う。